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医師の働き方改革①

医師の働き方改革① 政府がすすめている働き方改革が医療業界にも強い影響を与えていることはご存知でしょうか。 この働き方改革によって医療業界の深刻な人材不足やなかなか減らせない労働時間など、さまざまな改善点が浮き彫りになりつつあります。 今回はこの働き方改革が、病院や医師にどのような影響を与えているのか、そして医療業界が今後どうなっていくのかを紹介していきます。 現在、医師の労働環境はどうなっているのか 厚生労働省の調査によると現在勤務医の男性の約40%、女性の約30%の1週間の労働時間が60時間を超えたとされています。 その他にも当直や呼び出しなどもあることから、単純な労働時間の数値では見えていない時間もあるでしょう。 また法定労働時間が週40時間以内とされているため、医師の労働環境はそれを超えていることになりますが、そこでキーワードとなるのが「36協定(さぶろくきょうてい)」です。 これは法定労働時間を超えて労働させる場合に労働基準監督署に届けを出す必要があると規定している労使協定です。 業界問わず、労働者に法定労働時間を超過した勤務を命じている使用者は必ず労働基準監督署にその旨を届け出なければいけません。 しかし、届け出をせずに法定労働時間以上の勤務を命じている病院もありますので、労働時間が60時間を超えている勤務医の割合は上で紹介した数値以上のものとなるでしょう。 このような過労状態が続くと医療ミスなどにつながる恐れがあるため、最近では医師の健康や医師の安全などにも目を向けられるようになっています。 医師の労働時間を減らすために取り組まれていること 医師の労働時間を減らすために、さまざまな取り組みが行われています。 ・役割の分担 今まで医師が行っていたものを看護師と分担することで、医師1人の労働時間を減らす取り組みが行われています。 例えば傷口を縫った後の抜糸などは看護師でも行えるようにして、医師の負担を減らしていくなどです。 役割分担をさまざまな場面で見直していくことで医師の労働時間を軽減することが狙いです。 ・交代制 例えば夜に病院に泊まる勤務をした医師は、翌朝には帰れるような交代制のシフトを取り入れるなど「夜も働いて昼からも働く」というような偏った労働時間にならないような制度を取り入れています。 他にも1人の主治医が24時間担当しなければならない患者を診るのではなく、複数の医師で担当するなどして、医師の精神的な負担を軽減させる点もポイントの1つです。 ・「コンビニ受診」な意識の改善 こちらは「患者の意識」を変える取り組みです。 現在日本の医療は国民皆保険の制度からどんな人でも自由に病院に行けるという制度を取り入れており、利便性を感じる患者も多いですが、これは言い換えると医師の負担が大きくなっているとも言えます。 いわゆる「コンビニ受診」という認識を見直すためにも、現在国全体が病院のあり方を見直しており、本当に困った時に頼れる医療サービスを受けられるような取り組みが進んでいます。 医療文化はまだまだ改善すべき箇所があるのが現状ですが、少しずつ問題点が浮き彫りになっていき、その対応策も明確になってきています。 限りある医療資源を効果的に活用する方法が、現代社会で求められている時期になっているのです。